直心影流薙刀術は、現在まで継承されている日本の伝統的文化遺産である古流薙刀の一流派である。
当流派は今からおよそ五百年前、日本の関東に位置する鹿島の地で創始したのに始まる。 またこの鹿島からは、他の多くの流派が誕生している。
現在のところ、直心影流薙刀術は、日本、ハワイ、ベルギー、フィンランドで継承されている。 直心影流薙刀術愛好家は全員、日本の組織 "秀徳会"に所属している。日本古武道協会 直心影流薙刀術 "秀徳会"は、直心影流薙刀術の保存と振興を目的として創立した。
当流派の特徴は、自然現象の中に流れる力の動きを技の中に取り入れた 水車、風車といった車返しの技など、最小の力で相手を制するという華麗にして勇壮な操法である。
また、薙刀に加えて、短刀や木剣、そして鎖がま(カマに鎖が施されたもの)なども 継承されている。
直心影流薙刀術は、古武道の保存と振興を目的として、財団法人日本武道館が中心となり、古武道各流派の代表者や有識者の協議を経て設立された日本古武道協会に属している。 日本古武道協会は、日本古武道振興会と並んで、最も権威ある古武道団体である。
古流と新しいなぎなた
明治時代後半の日本では、江戸時代に存在した四百もの流派のうち、およそ十流派程が残った。 その中で最も大きな二流派が、天道流と直心影流であり、 両流派ともに主な武器として薙刀を用いる。これら両流派の後継者達が学校教育現場での実施を目標に掲げ、 垣根を取り除き、その優れたところを集めて創出されたのが、現在の "新しいなぎなた"である。
稽古着は、古流では袖にゴムの入っていないものを用いる他は、 新しいなぎなたと違いはない。 演武の際には、通常、演武者は黒の羽織を着用するが、 演武の邪魔にならないよう、袖口は固定されている。
古流を稽古する者は、新しいなぎなたが創出された歴史を理解するために、新しいなぎなたについて 知るよう促され、同様に、新しいなぎなたで稽古及び経験を積んだ者が 古流について知るよう奨励されることもある。
流派継承者(宗家)
流派の継承者は、安定した高い技術、深い知識を持ち合わせているだけでなく、 秀でた社交性をも有した人物であることが非常に重要である。
前世紀からの継承者系譜は、以下の通りである。
- 1代 松本 大炊助政元 - 備前守紀
- 14代 佐竹 鑑柳斎源義文 十同茂雄女 - 佐竹 鑑柳斎源義文 ・同茂雄女
- 15代 園部 秀雄 (そのべ ひでお)
- 16代 園部 繁八 (そのべ しげはち)
- 17代 戸谷 明子 (とや あきこ)
- 18代 園部 正美 (そのべ まさみ)
- 19代 荻原 晴子 (おぎわら はるこ)